隠れた新しいリスク
隠れた新しいリスク
よく日本政府の借金の額が大きいと話題になる。
最近は少し違うが、少し前まで国税収入を上回る新規国債の発行額がされていた。
素人目線で簡単に言えば、自分の収入と同程度の借金を毎月(毎年)重ねてかろうじて家計を維持している家計にもたとえられる。
日本国の財政破綻が話題に上るときに、それに対抗する理論はだいたい決まっている。
その1
国債を買ってもらう相手(借金をする相手)は国内の銀行や生保、個人が大半であり、いわば身内にから借金しているのと同じ。
海外に依存していたギリシャなどとは大きく違う。
身内(銀行、生保、日本人個人)には国債を購入する余力があるので当面大丈夫
その2
大なり小なり、世界の先進国はGDPに匹敵する程度の借金を抱えており、日本だけがすば抜けて断トツ酷いというわけではない。
「どこもひどい」だから「日本だけ信用が落ちて、問題になる可能性は少ない」
その3
日本の消費税はまだ8%。先進諸国に比べて10%程度の余力(増税余力)があるので、むしろ他国の借金よりも返済可能性も高く、日本の信用度に大きな問題はなく、これからも国債は十分に消化され、大きな問題は起きない。
私はこういう考え方の真偽を確かめるだけの知識や能力を持ちあわせてはいない。
少なくとも国債の発行、市場での消化には今まで問題はなく行われてきた。
ところがあまり大きなニュースにならないが、この3つの大きな対抗理論の1つに大きな風穴があきつつある。
現在、短国債を買う比率は外国勢が50%を超えてきているのである。
ゼロ金利が引かれて市中の銀行や生命保険業界は国債の購入を減少させている。
一番の買い手は日銀であった。
それを外国勢が凌いできているのである。
彼らは国債を購入して、FXで調達する外貨と抱き合わせることで利益を上げているそうだ。
現在 日本国債の売買で利益を上げられる唯一の勢力であり、ゼロ金利政策が続く以上、この傾向は弱まることはない。
徐々に日本国債全体の発行額のうち外国勢の所有する割合が増えていく。
当然、外国勢の目的は利益を上げるため。自分の利益が上がるならば、日本の市場が混乱しようが、どうなろうか知ったことではない。
外国勢の日本国債の所有割合を常に監視しておく必要がありそうだ。