「ベトナム留学生の日本への論評」を素人目線で論評する
「日本人の幸福って何なの?」ベトナム人留学生の新聞への寄稿が話題になっている。
原文は下記の通り。
留学生グエン・テイ・トゥイ(千葉県21歳)
「私は日本に来るまで、日本は立派で偉大な国だと思っていた。
来日当初も、街の発展ぶりや人々の生活の霊かさを晃て、私の国のベトナムとの差は大きいと感じた。
きっと日本人は自分の国に誇りを持ち、幸ぜだと感じているのだろうと思っていた。
しかし、来日から10ヵ月が過ぎた今、実はそうではないように感じる。
日本は、世界でも自殺率が高い国のlつだという。
電車の中では、睡眠不足で疲れた顔をよく見る。
日本人はあまり笑っていないし、いつも何か心配事があるような顔をしている。
日本人は勤勉で、一生懸命働いて今の日本を建設した。
でも、会社や組織への貢献ばかり考え、自分の成果を自分が享受することを忘れていると思う。
ベトナムはまだ貧乏な国だが、困難でも楽観的に暮らし、めったに自殺を考えない。
経済的豊かさは幸福につながるとは限らない。
日本人は何のために頑張っているのか。
幸福とは何なのか。
日本人自身で答えを探した方がいいと思う」
以上引用。
外国の物差しで見た率直な日本の一面だと思う。
私は書いてある内容に一切 異論はない。
ただ、これを読んで皆さんはどう思うだろうか。
「そうだ。そうだ」と思う反面、「そうはいっても・・・」とどこかに引っかかるものあるのではないだろうか。
これを読んだ日本人は、大きく分けて2つの反応があるのではないだろうか。
反応1
投資や自分の事業などで自分の生活を主に自分の力で切り開いている人。
そういう方向で明確に努力している人。
勤労所得に頼らないで生きていける人。
こんな人たちの反応は
「そうならないために自分で相違、工夫、努力している」
「そういう現状の人は決意して、自覚して、新たな一歩を踏み出せばよい」
「今は忙しくて疲れているけれど、この論評の対象のようにならないために努力しているんだ」
一言で言えば、現状のとらえ方には反論はなくても、「それは個人の力で乗り越えられるものだ」「私は乗り越えて見せる」という反応。
反応2
その他大勢の方たちの反応。
「何とかしたいとは思っているけれど、どうしようもないんだ」
「考えてもしょうがないので、日々目の前のことをこなすだけで精一杯だ」
ブログの読者の方は、どちらかというとこの「反応2」の方は少ないかもしれない。
「電車の中では、睡眠不足で疲れた顔をよく見る」
「会社や組織への貢献ばかり考え、自分の成果を自分が享受することを忘れていると思う」
そういう指摘は日本の典型的な一部分を正確に反映していると思うけれど、それを「日本人1人1人が自分で選択した姿」と思ってしまったら、それは現状の正しい分析にはならない。
投資や人生の中長期の見通しを持つためには、
「なぜこんなことが起きるのか」という正しい分析に基づく必要があると思う。
日本と同程度の経済力を持った欧米の国々にも長時間労働はある。
しかし、それはごく一握りのエリート層だけである。
私が日本にいる時、深夜終電近い電車の中にいる圧倒的多数は、ごく普通のサラリーマンだろう。
このブログの中で全部は書くことはできないけれど、
「電車の中では、睡眠不足で疲れた顔をよく見る」
「会社や組織への貢献ばかり考え、自分の成果を自分が享受することを忘れていると思う」
「そうなってしまう構造、仕組」あるいは人々に「それを当たり前、仕方ないと思わせてしまう考え方」が日本にはびこっている。
それは日本人が意識して、自由な選択があるうえで、選んだものではない。
私は、そういう日本の現状が「悪い」と言っているのではない。
正確な分析の上に、人生戦略や投資戦略を立てましょうと言っているのである。
私は今、日本のそういう仕組みの中から基本的には自由に生きている。
ただ私の海外投資の世界で成功して今の自由を手に入れる前までは「当たり前(と思わされた)日本の中にいた」
「よい大学を出ればよい会社に入れる」
「よい会社に入って、それなりに出世すれば一生安泰。一生幸せ」
「そのためには長時間労働やら、上司の理不尽な対応など基本的には甘受すべきこと」
そんなことに一定の反発を感じながらも、そういうものだと思って長い間生きてきた。
しかし、それは当たり前ではない。
「作られた当たり前」だと思う。
「作られた当たり前」の上に、利益を得る人たち(その立場の人からすれば、国益、日本の発展のためという理屈になるのだろうが)がいるのである。
自由な立場になってから、あらためて感じていることでした。
1月10日から10日ほど日本には帰ります。
2月に帰国予定はありません。
興味のある方は、連絡ください。
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