書評 「お金と自由を手に入れる!経済自由人という生き方」 本田健著 を批判的に読む。
書評 「お金と自由を手に入れる!経済自由人という生き方」 本田健著 を批判的に読む。
「お金」と「自由」を手に入れる! 経済自由人という生き方 (フォレスト2545新書)
- 作者: 本田健
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2010/06/04
- メディア: 新書
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この著作は起業したり、経済的成功してリタイアを目指す人にとってはバイブルのような一冊。
学ぶことも多い。
ただすべてをうのみにできない部分もある。
私の危惧を一言でまとめると
「この本にあてはまるのはごく一部の人。本田氏は決して意図してはいないだろうが、よく読まないと、だれでも成功できると中途半端な誤解をもってしまう」
この本を丁寧に読むと
「だれもが成功できる」とは書いてはいない。
よくアフィリエイト教材を買わるために「だれでもできる」という宣伝が多用される。
あるいはほんの少しでも見てもらうために「5分で1億稼ぐ」などといったセンセーショナルなフレーズで売り出す商材も多い。(この本当の目的は単なるリスト収集)
この著作はそのようなものとは違う。
本田氏は「成功するためには、その分野で最低5年修行が必要だ」とか「その特定分野で上位10%に入ることが必要だ」と書いている。
一方で
「自分らしく行けていけば人は豊かになっていく」
「自分らしく才能を開花させている人が少ない。→豊かな人が少ない」
「才能を開花させるためには大好きなこと、得意なことをどんどん追いかけていく。好きなことを極めていく」
とも書いている。
他の部分との関連性を切り離してこの部分だけに注力すると
「才能を開花させるためには大好きなこと、得意なことをどんどん追いかけていく。好きなことを極めていけば」、成功できる、少なくとも成功に大きく近づけるような錯覚をもってしまいがちになる。
でもこれは必要条件であって十分条件ではないのである。
以下()は私の注釈。
「才能を開花させるためには、(最低限)大好きなこと、得意なことをどんどん追いかけていく。好きなことを極めていく(ことがまず第一歩。でもそれは第1歩であって、それだけで成功できるあるいは大きく近づけるわけではない。あくまで第1歩なのである)
また別の個所ではこのような説明もある
「(現代は)セールス マーケティング 開発などあなたのできるそれぞれのスキルに市場の適正な値段が付く」
ただ、市場でその人の労働能力に正当な価格が払われるなんてごく一部の人々でしかない。
圧倒的多数の勤労者は真面目に働きつつ(もう少し給料ふえないかな、もう少し休みがほしいな、上司のプレッシャーもう減らないかな)と愚痴を言いつつ日々を過ごしているのである。
この本の対象になるのは大めにみて、日本国民の10%とか15%くらいではないだろうか。
本田氏も明確には書いてはいないがそれを前提にしていると思われる。
なぜ、私は重箱のスミをつつくようなことを書いているのか?
目の前の苦しみや矛盾の原因を「自分の才能を開花していない=自分らしく生きていない」からだと、短絡的に結び付けて、結果として第3者にうまく利用されてしまうことを危惧するのだ。
本田氏には決して、その意図はない(と思う)
しかし読み方によっては結果としてそのような効用をもたらしてしまう。
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