あまりにも役にたたないテレフォン人生相談(住宅ローン)。吉村が代わってお答えします。その1
あまりにも役にたたないテレフォン人生相談(住宅ローン)。吉村が代わってお答えします。その1
【人生相談】加藤諦三:相談者45才男性、住宅ローンが返済できない。【高中正彦】
今日は投資でも海外移住とも全く関係ない話です。
最近は何気なくユーチューブを見ていることが多い。
今のトレンドはメルマガでもブログでもなくユーチューブのようだ。
大した内容もない動画が2000とか3000の閲覧を集めているのを見てちょっとびっくりしている。
その中でたまたま加藤泰三氏のテレフォン人生相談の内容がユーチューブにアップされていた。
弁護士が相談者の相談内容に答えるのだが、その内容があまりにひどく役に立たない。
私のほうがずっと役に立つアドバイスができると思って、勝手にかかせてもらいます。
まず前提としてこの相談者がいつテレフォン人生相談に電話をしたのかははっきりしていない(記述がない)
そのためにこの動画がアップされた2018年1月の直近に相談があったという仮定でお答えします。
このブログの内容
1 テレフォン相談の内容
2 番組内の弁護士の回答。
3 吉村のアドバイス3本柱
柱その1 所有権を失うことは覚悟する。
柱その2 ある程度プライドが傷つくのは覚悟する。
柱その3 何が大切なのかを再確認する。
4 具体的手順のアドバイス
手順1 銀行との交渉
手順2 競売開始決定通知書の前後
手順3 落札後
(以上 本日3月2日 投稿分)
5 新所有者との交渉
その1 新所有者が自己所有のために落札した場合
その2 新所有者が投資のために落札した場合
6 競売後の銀行への残債への対応
対応1 長期少額返済する場合
対応2 自己破産する場合
7 ローンが返せなくなって競売になったということをどう考えるのか。
1 テレフォン相談の内容
相談者の情報。
45歳。男性。失業して1年。
半年程度はアルバイトでつなぐ。直近3か月は収入ゼロ。
妻 45歳。パート。月15万円程度の収入。子供1人 13歳。
8年前に3500万円で一戸建てを購入。現在、残高2500万円。
毎月の返済は13万円。
営業職だったが、1年ほど前に、解雇。
本人曰く「会社の業績が良くなくて辞めてほしいと言われた」とのこと。
その後、なかなか職が見つからない。
ついに住宅ローン3か月滞納になる。
滞納1か月目から銀行から電話や訪問があったが、本人は「払う当てがないので対応しなかった」とのこと。
3か月目に妻に電話があり「これからは第3者を経由した対応しか受けたまれない」という連絡が来た。
この時点でどうしたらよいかという相談であった。
また相談者からは
「実家には家とか土地とかなにもない。頼れない。土地だけでも長男に残してあげたかった」
「私の知人が似たように解雇になり、住宅ローンを抱えて苦労していたが、その人が病死したことで、保険金でローンが全額支払われた。同じことを(自殺??)を考えている」という発言があった。
さて、番組の中では加藤泰三氏は司会役に徹して、情報を整理するだけ。
それから何とかという弁護士が登場。
この返答内容がひどい。
2 番組内の弁護士の回答
「3か月も銀行の連絡を無視したのはまずい。
腹を括って銀行の人に対応してください。
銀行は相手の意向を無視して競売することはない。
ただ3か月無視したことで、かなり危険な状態になっている。
言いたいこと(自殺?!)は、意味は理解できるが、そんなことは考えないで」
テレフォン人生相談という相手の見えない中で、情報も少ない。
無償で顧客でもない人への返答ならこんなものなのかもしれないが、
また公共の電波を使った放送なので、ちょっとでも後々、責任を取らされるリスクを警戒した回答なのかもしれないが、
「何の役にも立たない」回答だと思う。
では私だったらどのようにアドバイスするか。
3 吉村のアドバイス3本柱。
大きな柱は3つ。
柱その1 所有権を失うことを覚悟する。
現在の住宅の所有権を持ち続けることはきっぱり諦めてください。
(住み続ける可能性はゼロでありません。詳細はあとで説明します)
柱その2 ある程度プライドが傷つくのは覚悟してください。
必死の家族のため働き、ローンを返してきた。自分の家の所有権を失うことはご自分のプライド、矜持を失いがちになる。
「今まで頑張ってきたことなんなのか」という喪失感につながりやすい。
ある程度、このプライド(のようなもの)を傷つけられることは覚悟してください。
ただし、あとで細かく説明しますが、その程度はあまり大きなものではありません。
柱その3 一番大切なことはなんなのですか
もう1度良く考えてください。
「家を守る」ことが第一なのですか?
ちょっと違いますよね。
家族3人が贅沢はできなくても、元気に健康に暮らしていける。
時々は家族3人で楽しい思い出を共有できる
お子さんが進学したいと思ったときに、できるだけその願いを助けてあげられる
そんなことではないですか
一番大事なことから考えていきましょう。
4 具体的な手順のアドバイス
手順その1 銀行の担当者との交渉
銀行の担当者にあって正直に説明してください。
「返す当ては今のところないこと」
「でも仕事を見つめてしっかり返す意思はあること」
「今しばらくの猶予がほしいとのこと」
この交渉の目的は簡単です。
「できるだけ引っ張ること。できるだけ長くその家に住んでいくこと」です。
はっきり言いますが、仕事が見つからないあるいは、見つかっても月10万円程度のアルバイトでは、いずれは家の所有権を手放すことになります。
決して、問題を解決(住宅ローンをきちんと返していく)することが目的でありません。
ただ銀行サイドも「できるだけお客様の立場や利益も考えたが、やっぱりだめでした。仕方なく競売します」という体裁をとりたたいために、ある程度はまってくれます。
まあ長くても半年とかそれくらいですが。
その間は「家賃ゼロで一戸建てに住んでいる」くらいのつもりで考えてください。
残りのエネルギーは、仕事を見つけたり、アルバイトで最低限の生活費を補てんすることに祖注いでください。
手順2 競売開始通知の前後
必死に銀行の担当者と話しても、いつまでも待ってくれるわけではありません。
半年から1年くらいで競売にかかるでしょう。
裁判所から競売開始決定通知がきても、すぐに出ていく必要はありません。
(相談者の立場で言えば、出て行ってはいけませんと言ってもよいです)
競売手続が開始され、落札されるまでにさらに半年以上はかかると思います。
ちなみこの手続きの間、日常生活にほとんど影響はありません。
別にご自分の家に「競売物件」という看板が出るわけでもありません。
開始決定通知の少し前に、裁判所の担当官が査定のために家を見に来る
開始決定通知が発行され、裁判所の競売物件一覧に相談者の自宅の情報がのります。
その後、入札に興味を持つ人たちが家の周りに現れます。
時には家に訪ねてくることもあります。
近所の人がそれをみたら「何かあったの?」程度は感じるとは思います。
その程度です。
手順3 競売で落札後
競売で入札者が決定され、名義が落札人に変わります。
これは裁判所が勝手にやりますので、相談者は何もする必要はありません。
新しい所有者が登記簿にのります。
ここでも自動的に出ていく必要があるわけではありません。
道義上「競売にあって名義が他人のものになった物件にいつまでも、住んでいるのはおかしい」とはいえますが、法律上、自動的に出ていくことが義務付けられているわけではありません。
さて落札された後にしばらくすると新所有者が家に訪ねてきます。
その時には、新所有者がこの家を購入した動機によって相談者の対応は変わってきます。
(以下は明日以降アップします)
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