あるタイ不動産投資の成れの果て
あるタイ不動産投資の成れの果て
友人がアユタヤの不動産投資の後始末で悩んでいる。
事の起こりはこんな感じ。
2011年~12年にかけて、ある投資グループでタイの北部、アユタヤのコンドミニアムが大々的に売り出された。
「日系の工場が数多く進出し、賃貸需要がひっ迫しているアユタヤに大きな投資チャンスがある」「博覧会の招致も計画」という触込み。
たしか総額200万バーツ~250万バーツくらいの投資だったと思う。
実は、この話について私は間接的に聞いていた。
私の第1感想は「アユタヤの工場で働く日本人はそれなりの高級取なのだから、仮にこのコンドが完成したとしても、日系レストランやカラオケのないこんなところに住むわけがない。バンコクからバスなり車で通勤する」というものだった。
このアユタヤ不動産には途中でケチが付く。
一部の物件が所有権ではなく、借地権であることが判明。
仲介者が、「完成後にしばらくして、一定の条件を満たさなければ、買い戻す特約をつけてもらいました」とこれまた、大々的に宣伝をしていた。
私の第2感想「大手でもなんでもない民間会社の買い戻し特約なんて、何の役に立つのか」
月日はながれ、物件は無事に完成した。
完成後2‐3年経過も入居者は10%以下 テナントビルは1つも契約がないという悲惨な状況。
物件を売った日系会社は途中までは「予定より早めに買い戻しを計画しています。希望者は名乗り出てください」というアンケートを実施していたこともあったようだ。
そして昨年くらいから、何らかの問題が起こり、
施工業者、日系の売主と ある弁護士グループが対立。法廷闘争に発展する。
(この対立の原因を私は知らない)
つい最近、この弁護士グループが裁判所の判決を取り、物件の所有権および占有権が弁護士グループにあることを宣言し、施工業者は警備員を含めて追い出された。
一応、弁護士グループは日本人向けには味方であるような姿勢を見せている。
また日本人投資家のうち所有権をもつはずの人々の権利が売主の日系会社によって登記されていないことも判明している。
お金を払っている人たちの所有権、借地権はどうなるのか。
まだ方針も提示されていないようだ。
少なくとも買い戻し特約を弁護士サイドが守る義務はない。
一説には、買い戻し特約の実行がせまられないように(どちらにせよそんなお金はないので)、法廷闘争をでっちあげまたは、芝居を打っているといううわさも流れている。
時々ネットでは「半分で良いから、叩き売りたい」という声もあがっている。
稼働率10%以下の全く見通しのないアユタヤ不動産を一体だれが買うのだろうか。
放棄全損か、自分が住むかしか選択肢はないと思う。