書評 20代で隠居 週休5日の快適生活 大原扁理
書評 20代で隠居 週休5日の快適生活 大原扁理
日本社会が動いている。それも多くの普通の市民にとっては不安と苦しさが増す方向で。
それに対して、いろいろな対応があるだろう。
上記10%程度の勝ち組に入るべく、様々な工夫と努力を行う人
将来のことを考えてもしょうがないので、何も考えないようにする人
そんな中での「面白い 一つの選択肢」を示すのが本書の著書 大原氏。
以下内容紹介
彼は20代のゲイ。
地方の高校卒業後 1年間工場で派遣社員。
その後 地方から東京に状況。
最初の1年は都心。
その後東京郊外(多摩地区)のアパートで一人暮らし。
家賃28000円。
収入は介護のアルバイトを週に2回 これで7万円程度を稼いで生計を立てている。
著書の中では「6か月程度は働かなくても食べていける虎の子の貯蓄は必要」と書かれているので、50万円くらいの貯金はあるのだろう。
投資とは全く縁のない生活である。
数人の友人を除いて、煩わしい人間関係とは距離を置いている。
自炊中心。玄米を中心とした生活。
著書の中には食べられる野草の見分け方や調理の仕方もある。
決して欲望を抑えて耐久生活をおくっているのではなく、
ひっそりと静かなに、お金のかからない趣味を楽しみながら、生きている。
朝は早朝から起きて気持ちはピシっとして始まる
ただ一日は、本を読み、簡単な家事、無料動画、映画、散歩などですぎていく。
テレビは見ないし、見たくない。
本人曰く「気の向くままに、したくないと思ったらしないこと」
そんな生活を彼は「隠居生活」と銘打っている。
リタイアとも感じが違う。
医学的な根拠はないが、彼は、玄米を中心とするとイライラしなくなったり、皮膚がきれいになったり健康に良いという。
一方で欲望が減じていくという。
時々、自分に欲望を掻き立てたい時だけ肉食に戻るという。
彼がこの生活スタイルに至るまでの経緯が面白い。
高校卒業後1年間は派遣社員として工場で働く。
1日12時間 神経を張り詰めて走り回るような生活。
休日もたまった洗濯や家事をするだけで終わっていく。
彼の次のフレーズが印象的
こんな生活を毎日していたら「自炊をして節約をしよう」とか「未来のために選挙にいこう」なんて言われても「何言っているの?」という感じ。
未来もへったくれもない
20代の知り合いにこの時期のことを話したら「そんなの普通だよ」と言われたという。
別の時東京に上京しばばかりのころ。
コンビニで長期間アルバイトをしていた。
猛烈に忙しく昼食なんて食べている暇もない。
スキマ時間で手製のサンドイッチの流し込んでいたら、先輩から「だれがよいといった。空気読めよ」と指摘される。
そしてその先輩は1日1時間以上かけて通勤し、その仕事を必死にこなしていることを自慢げに彼に話していく。
彼はいう。
「そんな生活 決して当たり前」ではない。
そして、彼が選び取ったのは週2日の介護のアルバイト、そして「隠居生活」
以上 内容紹介。
これはこれで今の日本の中で、自分を守り、自分なりの幸せを追求する方法として尊重したいと思う。
私の生活スタイルとは大きく違う。
私は体力を落とさないように、日々筋トレやジムを欠かさない。
私は普段の付き合い自体が非常に狭い
(この点は大原氏と全く同じ)
1日12時間、労働者として働いている知り合い、それを当たり前という知り合いはいない。
(自分の才覚で自分のビジネスを切り盛りしている人は別)
ただ、こんなに長い時間、未来の見通しなく、働かせ続けていれば、テレビで報道される表面的な政治の雰囲気以外を感じる以外に、に何もしようもないものある意味よく理解できる。
私は長時間労働、人々を消耗させることは、今の置かれている現状を客観的に見つめたり考えたりする力を奪って、結局はなんとなく現状肯定、なんとなく雰囲気で判断する方法の1つだと思う。