黒革の手帳にみる 現代日本の縮図。
黒革の手帳にみる 現代日本の縮図。
黒革の手帳が面白かった。
まだ最終回はみていないけれど。
特に浜口元子(武井咲)がなんとも美しく、見ているだけでも楽しい。
実は数年前、さほど有名でないときに彼女のカレンダーを買ったことがあった。
今年も買おうと思っていたが、妊娠騒動でちょっと幻滅。
購入をやめようと思っていたら、なんと販売は中止になっていた。
さて、そんな50男のチャラい話ではなくて、その中の一部の話。
主人公 浜口元子(武井咲)が心を寄せる安島富夫(江口洋介)の話。
彼は子供の頃、父親の会社が倒産して辛苦をなめる。
「政治とはなんだ。政治は弱い者のためにあるのではないか」そう思い立ち政治家の道を歩む。
長年 与の政治家の秘書を務める。
武井咲との出会いはこの頃から。
長年秘書と務めていた現職議員の死去にともない、その後継者として立候補する妻を破って当選。
この選挙戦の模様はドラマの中心ではないので、選挙戦の模様は詳細には書かれていない。
ただ 安島富夫(江口洋介)のとった選挙戦略は
「若さと行動力のアピール」
高齢の元現職議員の妻の演説の後に自転車で現れてアピールする。
坂道の多い、地元選挙区を自転車で行動して若さをアピールする。
というもの。
彼の初心「政治は弱いものためにある」を実現するなら
「政治が弱いもののためにない原因はどこにあるのか。
どこをどのように変えれば、弱いもののための政治になるのか」と少なくとも中心の政策に訴えることが必要だろう。
そんな核心に触れるようなフレーズは一言もなかった。
まあ選挙の部分については素人の脚本家が書いたシナリオなので仕方ないのかもしれないが。
でも、これが日本の一つの縮図だと思う。
とにかく「アピール」(つまりどう見えるか)が大事ということ。
そういう意味では現代日本の一部分を的確に表現している。
私は多くの政治家が初心の部分で
「弱い人たちが幸せに暮らせる日本にしたい」
あるいは
「普通に働く普通の日本人が普通に幸せに暮らせる日本にしたい」
と思っていると思う。
「もう十分に財産は作り上げた」
「ビジネスでは十分な成功をした」
「スポーツや芸能、ほかの分野で一定のレベルに達したので今度は政治の部分で
名を残したい」
だから政治家を目指すという部分も多くの人には多いだろうが、
同じ個人が同時に心の中では「日本国民の幸せ」をいくばくか願って政治の世界に入ったとも思う。
「金持ちになりたい、有名になりたい」だけなら、政治家で活躍できるだけの能力のある方ならビジネスの世界で成功できる
つまり、多くの政治家が少なくとも心の一部分では「普通の日本人が普通に働いて普通に生活し、幸せを実感できる日本社会」を求めていると思う。
問題は、「それを阻むものはなにか」「それを実現するためには何が必要か」という点で多くの点で意見が分かれるし、国民の前にわかりやすく選択肢が提示されていないことだ。
そのために「日本国が経済的に国際競争力を高めることが第一。福祉はその余禄の配分」という考え方もあるだろう。(政府の働き方改革の基本的な考え方はこういう方向)。
でもそれをストレートに表現する政治家はいない。
安倍首相でさえ、こんな言い方はしない。
とにかく「アピール」して「よく見える」ことが大事なので、わかりやすい選択肢など不必要なのかもしれない。
テレビの選挙関連の報道を見ると「アピール合戦」の報道に非常に嫌な気分になってくる。
私個人は海外で安全な蚊帳の外にいて、何か言う資格があるのかという意見もあるだろうが。