フィリピンの繁華街で見ないもの。
フィリピンの繁華街で見ないもの。
日本の主だった都市にあってフィリピンの都市部でほぼ全く見かけないもの。
日本では、現代では多重債務者は主に収入20%規制のかからない銀行のフリーローンやクレジットカードのキャッシングに集中している。
それでもアコムやプロミスの看板はたいてい見かけるだろう。
ところがフィリピンでは消費者金融らしき看板を私は見かけたことはない。
香港や上海では時々、日系の消費者金融会社を見かけることはあるが。
資金需要がないかといえば、そんなことは全くない。
むしろ、お金を借りたいという需要は膨大にある。
フィリピン人の過半数(一説では6-7割)が銀行口座をもっていない。
または1回作っても、長期間使わず休眠していることも多い。
なぜか。
収入があっても右から左へお金が動き、手元に残している置く必要がないからだ。
先日 私はケーブルテレビの料金の支払いである送金会社を訪れた。
いつもはあまり混んでいないのだが、その日は10人以上が待っており、途中で待つのを断念。
彼らの身なりは決してきれいではない。
どうも近くのコンドミニアムの建設作業員たちが、給料の支給日、その支給額から送金をしているようだ。
送金額をみていると5000ペソとか6000ペソ。おそらく半月の給料の大半を地方にいる家族のもとに送金しているのだろうと思う。
現金が手に入ってもすぐに送金やいろいろな支払いに充てられて、銀行に残しておくことができないのが、一般的な姿。
銀行でも住宅ローンや一部のビジネスローンを除いて、日本でいうカードローン、キャッシングもほとんどみない。
そうなると流行ってくるのは個人金融に近いもの。
日本やアメリカのようにクレジットヒストリーがあるわけではなく、
基本は貸し付けるその人の能力による部分が大きい。
年率に直せば30%40%もの高金利もざらだ。
私が見聞きした範囲では2つの聞いたことがある。
その1
中間層を相手に貸しつける。
年率60%にも相当する分割支払を先日付小切手を入れさせることを通じてまず第1担保。
(銀行小切手を持っているということはそれ自体、一定のレベルにあることの証拠にもなる)
次に不動産を担保にとる。
不動産の評価額の3分の1程度までしか貸さない。
3回程度不履行になれば、不動産と取り上げると契約もつける
(一般的には不動産担保と言っても日本のように抵当権が簡単につけられるわけではなく、特殊な技術や情報、ノウハウを持った人だけに可能なビジネス)。
その2
カラオケの女の子が同僚に給料日に返すことを前提に小口の貸し付けをする。
その金額は多くても数千ペソから1万ペソ程度。
1000ペソ貸したら返してもらうときは1100ペソ。
小口であり、給料日に返済できるであろう子だけに貸す。
時には現金の代わり携帯のロードで貸しつける場合もある。
その2の場合は、ある程度は軌道にのる。
ただ調子が出てきてやや大口貸付をして失敗したり、貸し出しが甘くなったりして
長く継続的に成功している知り合いはいない。
ハイリスクハイリターンの一例といえるだろう。