薄れる微笑み
薄れる微笑み
これは1年に40日ほどタイ(バンコク)に滞在し、観光的なものはほとんどなく普通に生活をする私の個人的感想です。
異論はあるかもれない。
タイは「微笑みの国」と言われる。
しかし、私の生活実感で、それを感じることはほとんどない。
コンビニでもレストランでも一歩入れば、「いらっしゃいませ」と声はかかる。
そこに「微笑み」的な感じることは全くなく、ただマニュアルに沿って行動しているという感じ。
会計でも注文でも、テキパキと動き回り、快適なサービスが受けられる。
これはロビンソンデパートやイオン、ターミナル21 一般的なマッサージ店でもほとんど同じである。
かすかに微笑みが残るとしたら、タイ航空のCA、1泊1万円以上するホテルのサービスとかカラオケなどの一部の夜のお店くらいだろうか。
私が初めてツアーでタイを訪れたのは20年前。
その時は、空港や道でたまたま目があった若い女性が微笑みかけてくれたのを覚えている。
(あとで知ったがこれは微笑みというより、恥ずかしさを紛らわす表情という意味らしいが)
私より20歳年上の旅なれた諸先輩方に聞くと40年前 50年前にはアジアにはタイではなく別の「微笑みの国」があったそうだ。
それは「日本」
一部の欧米人には日本がそのように見られていたようだ。
今の日本人が観光する外国人に必ずしも不親切というわけではないだろう。
最近はフィリピン人でも2週間以内の観光ビザが比較的簡単に降りる。
タイ人は言うまでも観光ビザが不要だ。
若いフィリピン人 タイ人が日本を個人旅行した時の概ねの感想は「日本人はとても親切だった」というものだ。
道に迷っていても、片言の英語で教えてくれたり、時には連れて行ってくれたり。
嫌な思いをしたという人を私は知らない。
ただ彼女たちは若い女の子ばかり。それゆえだからかもしれない。
かつて「微笑み」の国と言われた(らしい)日本。
それは社会が発展し、生産性が上がっていくなかで、「微笑みの国」という称号はとっくに消えていった。
私の感覚では、もうタイもその道の半ばまで来ているような気がする。