書評 フィリピンパブ嬢の社会学
書評 フィリピンパブ嬢の社会学
フィリピンについて書かれた本は
「圧倒的に女性を追いかけてきた日本人男性」
「老後をフィリピンで過ごす日本人(およびその失敗)」 に関するものが多い。
この「フィリピンパブ嬢の社会学」は若き大学院生が3歳年上(付き合った当時筆者22歳、フィリピーナ25歳)と付き合い、結婚し、生活をスタートしたところまでが描かれている。
社会学と銘打ってはいるけれど、若き日本人男性のルポルタージュといったところか。
フィリピン社会にある程度関わりを持つ人たち、これから持ちうる人たち
(フィリピーナを追いかける男性、フィリピンに長く住もうという人たち、仕事にフィリピン人赴任し、歩いて程度フィリピン人と付き合う必要がある人たち)
には、フィリピン社会の1つの側面を文字の上で感じ取れる一冊だろう。
フィリピンはマクロ的には経済発展しているといわれている。
それは事実だろう。マカティを歩けば、今でもどこもかしこも建設工事でホコリがまっている。
しかし、その経済発展の恩恵を一般庶民が感じることはまだまだ少ない。
感じるのは常に物価が高くなることばかり。
筆者は大学院の論文のために名古屋のフィリピンパブを1件1件回る。
その中で3つ年上の小柄な日本人顔をしたフィリピーナと出会う。
研究目的のヒアリングで訪れたこの若者を若きフィリピーナは逃さない。
この筆者の写真はどこにも掲載されていないだろうが、おそらく標準以上の容姿なのだろう。
騙されることなく、はフィリピーナは自腹を切って「1回1000円だけ、2000円だけ用意して会いに来て。ドリンクもいらない」とお金のない大学院生を呼ぶ。
そして彼女から「付き合ってほしい」とアプローチ。彼はそれを受け入れる。
しばらくのちに結婚。
通常は収入のない大学院生の夫の妻に配偶者ビザが下りることは非常に難しいが、専門家の力を借りて、またこの男性の家族の協力も得て、父親と同居する形をとり、配偶者ビザを取得する。
文系大学院を卒業しても就職には何のメリットもない。
一時的には彼は配偶者ビザを取得してエージェントを経由しないで働くことができるようになったフィリピーナに扶養される生活を送る。
とまあ、私たち中年男性にはあまり縁のないストーリーが展開されている。
これは、書評には関係ない私の感想、余談だが、
「このブログを読む30代後半までの男性のみなさん。
あなたが年収300万円程度以上の正社員で、
あなたの容姿が同年代の男性の上から80%以内に入るなら(つまりよほど酷くなければ)、
そしてあなたが、高校卒業までの英語を多少覚えているくらいなら」
若い恋人をほしいなら、フィリピンにいらっしゃい。
上記の条件を満たすならば、おそらくあなたはフィリピンでそれまでの人生で考えられないくらい「モテる」だろう。
現在、フィリピンに渡航する日本人、ビジネスで訪れる日本人で若い男性は極端に少なくなっている。30代後半までならば、かなり若い方になるだろう。
この本で私が感じたフィリピン社会については、また後日書きます。