北朝鮮の崩壊の見通し
北朝鮮の崩壊の見通し
私は北朝鮮に縁もゆかりもなければ、間接的な知り合いがいるわけではない。
あくまで素人目線で自分の意見をかいておきたい。
マレーシアで現主席の兄、金正男が殺害された。
インドネシアとベトナムの女性を、いたずらと思わせて利用した巧妙な手口だったそうだ。
一面で北朝鮮は、幹部クラス、親族の粛清が続き国家が揺らいでいるという見方がある。
一方である程度の市場経済が黙認されて富裕層、中間層が育ちつつあるという見方もある。
携帯電話の普及も一定すすんでいるようだ。
ジムロジャーズが次の最優先投資先は北朝鮮であると発言している。
私はすべてのカギを握るのは、北朝鮮の一般国民がどの程度、情報を握るかにかかっていると思う。
北朝鮮と韓国の統一が近いうち起きると考える人は非常に少ない。
韓国でもそう望む人、そう見通す人は極端に少ない。
ただ似たような状態は似たような国家間で30年近く前にあったのだ。
そう、西ドイツと東ドイツの統一は、天安門事件で世界が揺れ、ゴルバチョフの一定の改革でソ連が揺れるなかでも、だれも予想していなかった。
それがベルリンの壁の崩壊、東ドイツの最初で最後の普通選挙を経てあっという間に統一を実現していった。
私はこの根底に流れるものに、情報の浸透があると思う。
まだ統一が夢の彼方でであったころ、東ドイツと西ドイツは、西ドイツ側の一定の経済協力の見返りに、通信網の自由化がすすめられた。
平たく言えれば電話がごく簡単にふつうにつながるようになったのだ。
東ドイツ国民のだれもが、西ドイツの友人、知人に気軽に電話ができ、西ドイツの生活風景を目の当たりにしていたのだ。
西ドイツの豊かさを誰もが普通に目にしていた。
それがハンガリー国境の開放→事実上の西ドイツ、東ドイツの行き来の自由化→存在意義の亡くなったベルリンの壁の崩壊とつながった。
フィリピンでは誰もが警察や当局の腐敗、麻薬の蔓延、そしてそれまでの政府当局者が何もできなかったこと、ドゥテルテ氏がダバオ市を劇的に変えたことを知っていた。
インターネットが十分普及していない地方でも、このことは誰もが知っていた事実であった。それが庶民の不満のドゥテルテ大統領への劇的な支持につながった。
アメリカでは一握りのエリートが多くの富を握っていることをだれもが知っている。
その華やかな生活をちょっとテレビや雑誌をめくればだれもが、見聞きできる。
それと比べた中間層、貧困層の没落。オバマ大統領に期待したのに何も変わらない、むしろ悪化する苛立ち。
そういう情報は誰もが普通に共有していた。
(余談だが、アメリカでは台風や地震で最初に警戒するのは、まず貧困層の略奪や暴動だ。
東日本大震災で静かに暴動が起きない日本人をアメリカ人は、感心したそうだが、それは逆。
なんで災害の時に、わざわざ暴動起こすのか。それはアメリカの普段の生活では強い警察力や自助努力論(成功したのはその人の努力。失敗したのはその人の責任)でかろうじてコントロールさえている貧困層の怒りが災害時の無秩序状態で爆発するのだ)
通常の国では、情報はその国の政権の都合のいいようにできるだけオブラートをかけてはいても、隠し通すことはできない。
他の人、もの、国と比較して自分たちの状態を見ることはできる。
そんなことが北朝鮮の国内の人々はどれだけできるのだろうか。
北朝鮮から韓国に亡命した普通の庶民が、最初に驚くこと。
24時間電気がつくこと。
どんな貧困層にもテレビや洗濯機があること。
情報の伝達と浸透は、そしてそこから生まれる庶民の不満やイラつきは物事を動かす根柢の力に私はなると思っている。