ドゥテルテ大統領とカトリック教会の対立。そして日本の人口減少問題 その2
ドゥテルテ大統領とカトリック教会の対立。そして日本の人口減少問題 その2
昨日は日本のことを書いていたら時間切れになってしまいました。
フィリピンでは人件費が高くなっているという話はほとんど聞かない。
実際にマニラでさえ最低賃金 (1日約500ペソ)で働く人は非常に多い。
サラリーマンで2万ペソを超えていたら、かなり高い方になる。
マニラ郊外からマカティまで1時間2時間かけて通勤してくる人も珍しくない。
(郊外にはそもそも職がない。出てくるしかない)
この場合、交通費は原則自腹である。
これは中国やタイとは大きな違いだ。
なぜ賃金が上がらないのか。
簡単に言えば、若い労働人口が豊富なため。
それに比べて相対的には仕事の数は少ないため。
簡単な需給の法則で、供給(労働可能人口)が需要(求人)を常に上回っているので
賃金は上昇しにくい。
一般的には、その国の経済が発展して、農業から工業、商業に産業の軸が移り、教育が行き届きだすと、子供の数は減る傾向にある。
フィリピンではある統計によると一世帯当たりの子供の数は3人弱。日本の2倍以上。
さらに貧困層だけに限って言えば5人以上という数字もある。
これは私が見聞きする実態に近い。
英会話の先生たち(比較的高学歴)にインタビューすると彼女たちの間では晩婚化や少子化(子供を持っても1-2名)という傾向は強まってきている。
しかしそれでもフィリピンの人口増大を止めるには至っていない。
さらにカトリックでは中絶は違法であり、レイプでもない限り、基本的にはできない。
不倫であろうと、未成年であろうと中絶は不可能。
ドゥテルテ大統領は子供を3人までに制限する法制度を準備しているそうだ。
3人目以降は何らかのペナルティーを科すこと、
避妊のために、母体に何らかの注射をすることを推奨すること、
などを計画しているようだ。
これはフィリピン社会の中で噂されている程度の情報。
ただこういう情報が意外と的を付くことはよくある。
ここで問題になるのはカトリック教会との対立である。
フィリピンの避妊政策、産児制限政策は、カトリック教会との戦いだった。
その歴史は古く、1960年代当時の大統領フェルディナンド・マルコス氏が、出生率、人口増加を抑制する政策を打ち出したことに遡る。
1990年代の大統領フィデル・ラモス氏やジョセフ・エストラーダ氏も同様の政策を勧めるに当たってカトリック教会の対応に苦心した。
近年では、先代のアキノ大統領のリーダーシップのもとで「Reproductive Health Law=性と健康に関する法律)が2012年に成立した際、カトリック教会の強い反対にあってその発効が2014年までずれ込むという現象も起こった。
これはコンドームの推奨や避妊教育の推進など中心とした緩やかなものであったが、それでもカトリック教会の反対は強かった。
人口1億以上の国で人口が増え続けている国はアメリカとフィリピンくらい。
これを単純に「フィリピン不動産を買いましょう」という営業トークに乗せられるのは、典型的な鴨になってしまう。
ただこの現状をどのように生かしていくか、自分にとってのチャンスにしていくかは、検討の余地はたくさんあるのではないか。
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