デトルテ大統領とカトリック教会の対立。そして日本の人口減少問題 その1
日本の世帯で子供が3人いるというと非常にびっくりされるだろう。
現代日本ではそもそも
恋愛経験がある若者の減少
付き合っている人がいる人数の減少
付き合っても結婚する人の減少
結婚しても子供を作らないカップルの増加
など3重、4重の人口減少要因が働いている。
いくら行政や民間企業が婚活事業をがんばっても、男女が顔を合わせる機会が多少増えるだけで、ほとんど効果がない。
若者が結婚しない原因が「正社員の減少や低賃金にある」という論調もあるが、それはほんの1つの要因でしかない。
ある飲み会で60代の方が「息子が結婚を考えてくれない。友人に娘さんの紹介を頼められた。私はかわいい子だと思うし、きちんとした仕事も持っていいお話と思った。息子に写真をみせたが、興味をもってくれなかった」という。
参考までのその写真を拝見させていただいた。
私が20代の頃ならば、ごく普通に婚活市場(そんな言葉はなかったが)で十分、対象になる方に見えた。どこかの銀行に勤めている女性だそうだ。
たまたまその場に居合わせた35歳の私の友人がその写真をみた。
「ぼくはないな」と即答された。
その友人は決して高飛車な人、プライドが高い方ではなく、ごく普通の方。
現代日本では、「それなりの美男美女しか結婚できない」社会になってきているのである。
いいか、悪いかは別にして、私たちはそれを歴然とした現実として生活設計、人生プランを立てる必要がある。
よく結婚相手に20代30代で年収500万円以上を求める女性が多いという報道はある。
そんな条件に該当する男が少数なので、結婚できる人が少ないという理屈だ
それはそれで事実なのだが、結婚する人が減る理由を単純に経済事情や雇用情勢だけに求めるのは全くの間違い。
それならば、公務労働者だけの統計を取れば、その結婚率が世間とは全くかい離したずば抜けた高い比率を示すはず。
実際は公務労働者の結婚する割合は日本の平均と大差ない。
「日本が多くの移民を受け入れない」ということを前提とするなら、
現在の日本でこの結婚する人を増やす、子供を増やすということを実現しようとするならば、解決する方法はたった1つしかない。
「子供を作ることが経済期的にも、休暇などの待遇の面でも非常に得をする」仕組みを作り上げることだ。
例えば 3年間で子供2人作れば、所得補償、家賃保証、医療保障、税金控除などその他いろいろ名目で 年収200万円で独身で働くのと大差ないような仕組みを作り上げる。
「多少収入は減るかもしれないけれど、子供2人作れば家族4人十分食べていけるし、様々な休暇も保証される。それなら目の前のパートナーはそんなに美男美女じゃないけれど、まあいいか」とそろばん勘定で露骨に得になる仕組みを作るしかない。
フランスでは子供を作ることへの社会的保証はあつく、このそろばんで十分元が取れる仕組みになっている。
しかし、こんな仕組みは日本には絶対にできないともいえる。
その1
日本では子供を持つこと、作ること、育てることを応援する共通した国民世論はない。
子供を持つ世帯への税金支出ともなった応援をすればするほど、そうでない世帯からの反発は非常に大きくなる。
民主党政権の1万数千円の子供手当も反対の声もそれなりにあった。
例えば保育園建設をしようとすれば、大抵、騒音を気にした反対や懸念する世論が一定生じてくる。
その反対に対して日本全体では積極的に応援しなくても「それはまあ一理あるよな」という世論は常に存在する。
独身男女からすれば、公務労働者や一部大企業を除けば、「同僚が産休、育児休暇で休む。その分の負担が自分にかかる」と分かれば、それを心から応援できる人はまだ少数ではないだろうか。
その2
その1と相まって、このような政策を進める政治勢力はない。
正確に言えば、そのような政策を公約に全面に掲げても選挙に必ずしも有利にはならない。
そしてお金にもならない。
原発を誘致すれば、道路を1本作れば、空港を作れば、拡充すれば・・・それはその地域の多くの選挙民の支持はなくてもお金にはなる。
選挙活動を支えてれる支持母体の人々は潤う。
その議員なり、その政治勢力には役立つ。
ところが人口減少を食い止める政策それ自体は、どこかの業界の利益に直接つながる訳ではない。
一定の独身世帯、子供がいない世帯、自力で子供を育て上げた世帯の反対も予想される。
つまりこれからの日本を考える上では、
結婚する人は減る
結婚しても子供を作る人は減る。
子供は減る
人口は減る。
日本は老いていく
このことをほぼ確定的に考えていろいろは人生プランや投資戦略を練っていくしかないのである。
長くなりました。デトルテ大統領のことを書く時間がなくなりました。
また明日。
デフレ投資家吉村による素人のための投資、海外ビジネス&移住生活
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