HIS 大幅減益。 時代による栄枯盛衰
HIS 大幅減益。 時代による栄枯盛衰
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は12月9日、2016年10月期決算の純利益が前年同期比97.5%減の2億円と発表した。売上高は2.6%減の5,237億円。
理由は2つ。
その1
ヨーロッパのテロによる売り上げの減少。海外旅行を売上80%にしながら、海外旅行需要が伸び悩んでいること。
その2
円安による為替損。
それに比べて、最大手JTBは国内旅行の中でもテーマを決めた特色ある商品を多く売り出し、海外からのインバウンド客の需要も取り込んで好調を維持している。
と、ここまでは新聞報道。
HISというと私が20代、30代のころは、安い海外旅行の代名詞のように思われていた。
まだネットで航空券を買うことが一般的でない頃、1月4日に仕事初めに、5月のゴールでウイークの初日のチケットを電話予約したことを覚えている。
今、格安航空券を求めるときにHISを利用する人はほとんどいないだろう。
スカイスキャナーで検索しても該当することはほとんどない。
日本人の海外旅行需要はJTBによると今年は3%ほど増える見込みだが、全体的に横ばい状態。
現在はお金を持った高齢者が需要を支えているが、高齢化が進み、健康の問題が出てくれば徐々にその需要は減っていくだろう。
そして若者は海外への興味をどんどん失っている。
ある県はパスポートを取得して一定条件の海外旅行をすれば補助金を出す政策を打ち出したが、応募してきたのはごく少数にとどまっている
クリスマス休暇前のマニラは国内の移動(マニラに買い物や親類訪問でやってくるフィリピン人)の需要で、ひどい渋滞が続いている。
ところが日本人を主要なターゲットにしているレストランやカラオケ関係は閑古鳥が鳴いている。
この減少は最近特に顕著になっているそうだ。
これも若い人(正確に言えば20代~30代後半くらいまで若者、中堅層)が海外に来なくなってきている1つの表れである。
いっときの栄耀栄華も時代が変わり、社会環境が変わっていくなかで、変容していく。
私が就職するとき、だれがシャープが外資の傘下になると予想しただろうか?
今、栄華を極めているといえば、
不動産仲介業の方たち。
自動車関連も円安に支えられて堅調。
公務労働者も正社員は日本社会全体の正社員の比率が下がっていく中でその優位性は年々際立ってきている。
個々の企業では最高益を出している会社も一定数存在するだろう。
ともすれば目の前の成功、栄華に目が奪われてそれがいつまでも続くように見えてしまう。
時代の流れにあまり左右されず、1本 基本になるものがあるといいと思う。