あるフィリピンのスキマ産業
あるフィリピンのスキマ産業
日本の駅前を歩くとタイやフィリピンと大きく違うものが目に付く。
それは「サラ金の看板」。以前よりはだいぶ控えめにはなってきているが。
フィリピンにも消費者金融という仕組みはある。
それを募集するサイトも存在している。ただ私の知っている範囲、見聞きしている範囲で利用している人はいない。
HSBCフィリピンのサイトにもパーソナルローンの募集は小さく乗っている。
増えたといっても全人口の30%程度しか銀行口座を所有していないフィリピン人のなかでこのような個人ローンを組む人はまだまだ少数。
では資金需要がないのかというと、そんなことはない。
在住、日本人の方には従業員や元従業員、知り合いから「子供が急病」「母親がケガをした」なんていうHELP (お金を貸して)というメッセージが頻繁にくるそうだ。
こういうスキマに誕生してきたのが、資格のない個人金融を営む人たち。
5年以上前のことだが、私がカラオケの女の子と仕事前に食事をしていたとき、その子は携帯ばかりいじっていた。(お前と話す気がないんだ!!という突っ込みはご容赦ください)
よく話を聞くと友達にロードという携帯のプリペード度数を送っているとのこと。
15日に1回の給料日に20%程度の利息を載せて返済してもらうとのこと。
複数の小口貸出、相手を同じカラオケ店の顔見知り、収入も予測できる人に限定している。
貸出総額はせいぜい1万ペソ~2万ペソ。
次の給料日には2000ペソ~4000ペソくらいの利益が乗って帰ってくるという仕組みだ。
フィリピンで4000ペソというと決して小さな数字ではない。
マクドナルドで1日8時間 一週間働いたのと同じくらいの金額。
今でも大抵のカラオケ店にはそのような個人金融を営む女の子が1人や2人いるそうだ。
そこから出発して個人零細企業に1回数万ペソを貸し付ける場合もある。
また日本国内のフィリピン人ネットワークでもやや規模の大きい貸し出しをしている人もいる。やはり1回の貸し出しで20%~30%の利息を得ている。
きちんと返済がされれば、とても魅力的な商売だ。
ポイントは当然
与信返済能力を調査する力。
そして焦げ付いたときにきちんと取り立てる手段を持っているかである。
自分が信用できる「と判断した女性」にある程度まとめた金額を貸し付けて利益折半などを計画されている方もいる。
私はその女性の属性を知らないので評価はできないが、1つの着眼点ではある。