再掲 素人が見るアメリカ大統領選挙予想
再掲 素人が見るアメリカ大統領選挙予想
11月8日にアメリカ大統領選挙が行われる。
過去3回のテレビ討論では民主党のヒラリー候補が、冷静、沈着な態度でスマートな返答を繰り返し、有利な立場になったと報道された。
ところが一昨日の一部ニュースではトランプが逆転したとも報道されている。
ドル円は一気に水曜日に1ドル50銭ほど円高に振れ、日経平均は300円ほど急落した。
そして本日11月4日も200円強下落。2日間で500円の急落である。
その原因は「FBIがヒラリー候補の私的メールの問題捜査再開報道」のためと分析されている。
素人目の分析で意見を言います。
FBIの捜査再開はきっかけにしかすぎません。
この分析はとても浅い分析です。
そもそも共和党の中でも有力な支持者もなく、当初、泡沫候補だったトランプ候補が共和党の大統領候補になれたのは、彼の威勢のいい攻撃口調が「オバマ大統領の8年間で目に見えた変化のなかった、アメリカ国民の鬱積した不満のはけ口」となったためだ。
平たく言えば「なんとなくこの苦しさ、不満を変えてくれそう」という感情的な漠然とした期待だ。
リーマンショックが起きたのは2008年9月15日。
そこから日本もアメリカも長期的な不況に悩まされた。
私も最近知ったのだが、その張本人であったアメリカ金融界はたった1年足らずで、V字回復を遂げていた。
アメリカ国債のディールなどで政府から特権的な権益を与えられたためだ。
それから長い間、金融機関のスタッフが相変わらず、けた違いのボーナスをもらいながら、一方で庶民は時給10ドル前後の職を得るために汲々とするという対比ははっきりしていた。
オバマ大統領も何もしなかったわけではない。
政府の支援で金融危機を乗り切ったあとに、金融機関の幹部が多額のボーナスを得ることを阻止しようとして様々な施策を打ち出した。
一定額(たしか5万ドルだったと記憶している)以上のボーナスを払う場合は超過分と同額の特別税を国に治める仕組みを作った。
それでも金融界の多額のボーナスを止めることはできなかった。
会社がその特別税を払うようになったのだ。(それだけ儲かっていたといえる)
日本の見識の浅いマスコミは、
共和党=金融界や産業界の代表、
民主党=労働組合や移民、零細自営業などの弱い人の立場の代表
と説明していることが多い。大きな間違いである。
ヒラリー候補も金融界で講演をして数時間で1000万円を超える報酬を得ている。
たしかに労働組合や市民団体の多数は民主党を支持しているけれど、一方で経営者、金融業界の一定割合も民主党を支持している。
日本でいえば、自民党と第2自民党が2大政党制を敷いているようなもの。
庶民の不満がアメリカの産業構造や巨額報酬をもらう経営層、富裕層の権益を害する方向にいかないようにうまく調整するのが民主党の役割である。
つまりトランプ候補への支持の広がりは、根本にはアメリカ国民の漠然とした不満が現れているのである。
この不満を理屈抜きにどう投票行動に結び付けるのか
例えばトランプ候補が「オバマで何が変わったのか?民主党で皆さんの生活はよくなったのか? 私は変える。4年間で強いアメリカをもう1回作る」というフレーズを連呼していったら、国民の深層にある不満に一層強く響くのではないか。
私は今年5月にトランプ候補の圧勝を予想した。
詳しくはこちら
そして今も、「予想外の大差でトランプ候補の勝利」を予測する。
そして一時的に大幅円高、日経平均の急落を経験するだろう。
私は日経平均ブル2倍を少し買いましておいた。