デトルテ大統領の来日&日本の現状を考える。
デトルテ大統領の来日&日本の現状を考える。
デトルテ大統領が今月末に日本に来日します。
それについて、まあまあ的をついた、テレビ番組がユーチューブにアップされていたので
載せておきます。
動画はこちら
デトルテ大統領は国際的な常識では考えられないような暴言をアメリカ、EU、ローマ法王、国連事務総長にしている。
特にアメリカは本来、フィリピンにとって軍事的に経済的にも重要なパートナーなはずである。
その真意はまだ、測りかねる。
このテレビ番組では所詮、退任が決まっており、先のないオバマ大統領や国連事務総長には、あえて気を使わずに、自分の発言力を高める戦略があるかもしれないと指摘もあった。
そしてフィリピン国民の90%以上がデトルテ大統領を支持している。これはほとんど揺るがないといってもいい。
私の生活圏内でも、新しい規制や取り締まりに不満を言う人はいても政権批判を口にする人はいない。
これは何を意味しているのか?
「国民の中に渦巻く強い不満」を反映しているといっていい。
前アキノ大統領はマルコス大統領から政権を奪還したときにアキノ大統領の息子というイメージがあって、やはり国民の支持はとても大きかった。
5年経過して、国民の大多数の気持ちは「何も変わらなかった」というのが実感。
フィリピンの国全体では経済指標上は年に6-7%の経済発展が続いている。
マカティを歩けば、どこもかしこもオフィスビル、コンドミニアムの建設ラッシュが続いている。
一見景気が良いように見えるけれど、それは多くの庶民の実感とはかけ離れている。
同じ職種、同じ業種で「この5年間で給料がぐんと上がった」などという話はほとんどきいたことがない。
これが中国の大都市やバンコクならば、同じ職種、同じ業種で人件費の高騰はしばしば報道されることだ。
素人目線でフィリピン経済を概観させてもらえば、
コンドミニアムやオフィスビルの建設ラッシュは最低賃金程度の建設労働者の数を増やし、
一部の業界を潤すだけ。
フィリピンでは若年労働者の数がまだまだ豊富なので人件費の高騰 (庶民の懐がよくなって豊かさが実感できる)にはまだ距離がある。
それよりも物価の上昇、交通渋滞の激しさ、役人の汚職ばかりが目について、
国民の不満は暴動まではいかないまでも、相当膨れ上がっている。
その不満が「アキノ大統領とは感じの違うデトルテ大統領なら何か変えてくれる」という強い期待につながっている。
これはアメリカでトランプ候補が一時的に熱狂的に指示されたり、日本で橋本前大阪市長の維新の党が支持を集めるのと同じ背景だと思う。