デトルテ大統領後のフィリピン経済 その2
デトルテ大統領後のフィリピン経済 その2
先日 デトルテ大統領の経済政策は国際的には信任されておらず、ペソは対ドルで9年ぶりの安値を付けたことをブログで書いた。
今日はそれとは逆の視点のことを書きます。
フィリピン人で自分の銀行口座を持っている人はまだまだ少数。
日本では、どんなに貧困でも自分名義の銀行口座がないという人はほとんどいないのではないだろうか?
フィリピンではどちらかというと銀行口座を持っている人の方が少数というのが実感である。
なぜか。
その1
国民が銀行を信用していない。
以前書いたように フィリピンでは銀行からお金が行員の手によって盗まれることが時々起きる。国民もそのことをよく知っている。
再掲 なぜHSBC香港か
素人による素人のための投資、海外ビジネス&移住生活 : 再掲 なぜHSBC香港の口座開設か
またキャッシュカードが盗まれれば場合、ある程度の知識を持った窃盗グループの場合
暗証番号を盗み取る技術をもっていて、簡単に預金が引き出されてしまうこともある。
その2
銀行口座開設がかなり面倒。
日本であれば、個人の場合、運転免許証と認印1個もって自宅の近くの銀行に行けば、免許証の記載住所と実際の住所地が同一ならば、30分で銀行口座を開くことができる
ところがフィリピンではこれが簡単ではない。
まず運転免許証を持つということが一苦労。
今は運転免許証の台紙の代金を業者に払う金がないということで数か月待たされる。
また出生証明書などのスペルが違っていることも多く、簡単に銀行口座開設のための書類を整えることが大変。
どうしても必要になったら、家族の中のだれかの口座を借りる。
その3
あまりお金を銀行口座に貯金するという習慣がない。
あればあるだけ使ってしまう。困ったときは親類、縁者、友達に借りる。
そんなマニラの中でも、徐々に銀行口座を作ろうという人が増えてきた。
「デトルテ大統領になって、銀行員も悪いことはしないだろう」というのが彼らの本音。
日本の経済発展の1つの原動力は多くの国民が銀行に貯金をして、それが銀行を経由して、」高度経済成長の資金需要に答えることができたことにある。
そこまでつながるかどうは、何とも言えないが、少なくともフィリピンの健全な経済発展に一歩寄与することになると思う。