書評 年金夫婦の海外移住
書評 年金夫婦の海外移住
ツイッターで見かけたのでアマゾンで購入して一読。
私はビジネス、投資で食い扶持を稼ぎ、独身。
この本は年金生活+夫婦の海外移住。同じ海外移住といっても、大きくスタイルは違う。
この本のテーマは
その1 お金に関すること
その2 現地(特に日本人)にいかに騙されないようにするか。
その3 人の交流も含めて、どのように移住生活を楽しく過ごすか
といったところを中心に書かれている。
月15万円~25万円程度の年金生活で、夫婦ともの海外移住生活を夢見る方には基本的には一読をお勧めする。
(実は登場人物の半分以上は単身の移住者だが)
私の独断と偏見で意見を言わせてもらう。
標準的な年金収入で日本よりワンランク、ツーランク豊かな生活、楽しい老後を夫婦で海外で過ごそうというコンセプトの実現は基本的には難しいと思う。
もしうまくいくとしたら下記のような点に秀でた夫婦ならば可能かもしれない。
その1
夫婦の少なくとも一方が英語、または現地の言葉が一定レベル以上にできる。
その2
夫婦でその地でともに楽しめる趣味、楽しみが豊富にある。少なくとも1つある
例えば、ゴルフが好きだ、音楽が好きだ、マリーンスポーツが好きだ
ボランティアに情熱を傾ける。
それを夫婦ともに取り組めればそれで幸せ。
そのほかに不便や不満があっても、十分おつりがくるという生活スタイル。
その3
積極的にいろいろなことに取り組んで世界を広げていく能力のある場合
その4
さほど日本食にこだわりがない場合。
週に1回程度で十分。あとは基本現地のレストランで満足できる場合。
上記のような特徴のないごく普通の日本人夫婦が
「安い生活費で」「より豊かな生活」という漠然とした思いで移住生活を始めても、うまくいくことは少ないと思う。
理由は2つ。
その1
決して安いとは言えない。
現在は1ドル100円程度の円高に戻りつつあるが、アジアは基本的にインフレの国。
今、安いと思っても2-3年のスパンでモノとサービスの値段は上がっていく。
いつ激しい円安になるかはだれもわからない。
日本食中心に、日本にいるときに近い、サービスを享受しようとすれば、日本と同等か、それ以上の費用はかかる。
その2
仮に当面 生活費を安く抑えられたとしても、下記のデメリットをカバーできるほどの
メリットといえるかどうか。
医療、インターネット、いろいろなサービスは日本には遠く及ばない。
イライラしたりすることも多い。
日本人は比較的治安のいいところを選ぶが、それでも日本に比べれば小さな犯罪ははるかに多い。
15万円~25万円の年金生活であっても、少し工夫と時間をかければ、日本国内でそれなりの生活レベルを維持できる。
デフレ傾向が再び強まった日本では、今後、一層その傾向が強くなると思う。
ただ、独身である場合には、この限りではない。
特に一人で楽しめる趣味、喜びがある場合は大きく違う場合を多々見てきている。